目医者
先日朝起きたら右目に「ものもらい」ができていました。
関西では「めばちこ」っていいます。
片目が腫れているぐらいどうということはない、ちっちゃい事は気にするな、ソレめばちこ めばちこ
と言いたいところですがこういう仕事をしているため見てる人に気を使わせてしまうのも嫌なので朝から目医者に行きました。
ひさびさに行った目医者は綺麗でハイテクでした。
初診の僕はまず視力検査からということで中に案内されました。
右手に漆黒のしゃもじを持って先生に指されたところを「右」「上」
なんてやり方はもう古いみたいです。
個室に女の先生と二人きり
そして僕に向けてパソコンのモニターがおいてある。
片目が隠れたメガネをつける僕、そしてそのモニターに先生が大小様々ないわゆる「C」を映し出してくれるのです。
僕にとってはなんだかすごくサイバーに感じました。
視力検査開始、しかしそこで事件は起こりました。
「これは?」
「わかりません」
「これは?」
「わからないです」
「じゃあこれは?」
「…わからないです」
「え!?ほんとにこれ見えないですか?」
「…はい」
僕は途中で気づいてたのですが
パソコンモニターの電源が入っていないのです。
僕にだけ向けられているので気づかない先生。
真っ黒な画面を見せながら「これは?」「これが見えないですか?」と繰り返す先生。
精神が崩壊しそうな空間です。
しかしクセになりそうな空間、もう少しそのまま楽しみたかったのですがたまらず「…先生、多分パソコンのモニター電源入ってないです」と伝えました。
「え!?」とモニターを覗き込む先生。
モニターの黒とは対照的な鮮やかな赤に染まっていく先生の顔色。
「あ、す、あ、すいません」と慌てながら先生がモニターの電源をつけると先生の顔面より大きな「C」が映し出されました。
ババーン!いう音が聞こえそうなぐらいでかい「C」
僕も大きな声で「右ぃ!」と答えれました。
初夏の昼下がりの出来事でした。