銭湯

最低でも週に3日は必ず銭湯に行きます。
銭湯にゆっくり浸からないと仕事が終わった気になりません。
まずシャワーで「今日の汗」を洗い流しまして
その後サウナで10分ゆっくり汗をかきます
この時「ストレス」が毛穴を通じて流れ出て行きます。
その汗を流し水風呂に5分。
この時に毛穴と気持ちが引き締まります。
そして再びサウナ10分。
先ほど出しきれなかったストレス、つまり「スベったボケ」「本当は言いたかったけど自信が無くてやめたボケ」「クイズ番組でボケが浮かばず無難な正解を狙いにいった事、しかもそれも不正解」「もうMCのせいにした」などの具体的なストレスが流れだします。
その後また水風呂5分。ここでまた気を引き締めて最後のサウナ10分へ。
ここまでくると開ききった毛穴からさらに細かいストレスが流れだします。
「特番がレギュラー番組に昇格したというのに僕が座って盛り上げた席にはキラキラした後輩」
「収録休憩中にお茶を飲むふりをしながら紙コップを口にあててバレるまでモデルの脚を見続けた自分」
「たいした活躍もしてないのにTwitterには収録がめちゃくちゃ楽しかったとつぶやききっちり仕事してきた感を出した」
この時には汗だけでなく涙も少量出てますがこれらのハードストレスを出し切ったらシャワーを浴びて何かに取り憑かれたように体を洗います。
そしてやっと大浴場の湯船に浸かります。
「ヴォォォォ」と低い声が漏れてしまい銭湯にエコーつきで響きわたります。
この時にいつも芸人をやめてます。
だからもう頭はからっぽです。ただにやにやしながら湯に煮込まれている男になります。
先ほどまでのストレスは芸人ならではのものであり、もう芸人をやめてしまってるので悩む必要がありません。
何があっても「知らんがな」です。
気の済むまでゆったりと長湯すれば最後に10秒だけ水風呂に浸かり体を締めます。(この時いつもそばの事を考えてしまいます)

体を拭いてさらにぼーっと扇風機の風を抱きながら何を食べに行こうか考えます。
そしてNMWに電話します。(ネゴシックス、ムーディ勝山、若井おさむの三人。とても都合の良い後輩達)

銭湯の無い生活は考えられません。銭湯の無い生活は、、、あ、あの、アレの無い、あ、アレです。(昨晩銭湯で長湯しすぎてしまいまだ芸人の感覚を取り戻せていません。ご迷惑をおかけしております)

でんごんばん CIDER inc.