マネージャーさん

去年11月下旬にマネージャーから来たメール。
「川島さん、今年のクリスマスは予定入れてますか?」
普段は気も強く明るい女性だけど疲れたり落ち込んだりするとため息を吐き、目を潤ませて下を向く、その姿で男の心をグッとつかんでしまう篠原涼子似のマネージャー
からのメールなら嬉しかったのですが残念ながらうちのマネージャーは肌色ナメック星人(中年男性)なのでそんなメールをいただいても全くドキドキしませんでした。
冷静にメールのやりとりを続けます。
「なんの予定も無いです」
「じゃあクリスマスの日に海外ロケを入れてもいいですか?」
「もちろんです。ありがたいです。どこに行くの?」
「オーストラリアで鉱石を掘ってもらいます」
「…それ、ほんまに僕に来た仕事?」
「ええ、是非とも川島さんにやってほしいらしいです」
「も、もちろんやります」
それから10日経ったある日再びマネージャーからメール。
「すいません川島さん、あの仕事無くなってしまいました」
「そうか、楽しみにしてたけどしょうがないな」
「でもその日ロケでタイに行ってもらう事になりました」
「タイ!?タイでなにすんの?」
「鉱石を掘ってもらいます」

どうしてもです。
どうしても僕はクリスマスに鉱石を掘らなければいけないようです。

そしてクリスマス前日に来たメール

12月25日
入り時間
午前10時30分
入り場所

タイ

※航空券等はポストに投函しております』
本当に来たメールです。
それでも我々は顔色一つ変えず「入り時間は日本時間かな?現地時間かな?」と冷静に考えたりするので吉本芸人はたくましく育つものです。
自分で飛行機に乗り込み何時間もかけてタイに到着。
したものの空港には誰も迎えにきておりません。どこを探してもいません。
たまらずマネージャーにメール
「タイに着いたよ。どうしたらいいの?」
その返信は
「タイに着きましたか、お疲れ様です。では次にタカハシという方に出会ってください」

もはやミッションです。
芸人とマネージャーとのやりとりとは思えません。

結局30分ぐらい日本人らしき方に「あなたはタカハシさんですか?」と話しかけて無事タカハシさんを見つけました。(「そうです、私がタカハシです」の言い方は変なおじさんを彷彿させました)
そしてロケは何事もなかったように遂行されたのでした。

でんごんばん CIDER inc.