タクシー

テレビなどの仕事の時はタクシーに乗せてもらえます。
ありがたい話ですがタクシー乗ってると色々起こります。
数年前、相方とマネージャーとタクシーに乗って仕事場に向かっていた時の事。
高速道路を颯爽と走っていた時、突然あの匂いが車内に充満してきました。
鼻をつく硫黄のような匂い。
それは鼻を外して一度水洗いしたいほど強烈な匂いでした。
絶対田村だ。
やりそうな顔してます。いや、むしろ顔から屁を出しそうです。
「こいつやりやがったな」
そう思い田村をにらむと
なんと同じ顔でこちらをにらんでいます。
田村も僕が密室テロの犯人だと怪しんでいるのです。
僕達は目で会話しました。
「お前やろ?」
「ちゃうわ。お前ちゃうんか?」
「マジでちゃうわ」
二人とも嘘をついていません。
となれば…と二人で助手席に座っているマネージャーをにらみつけました

なんと鬼の形相でにらみ返してくるじゃありませんか。
その血走った目はこう訴えかけてきました。
「僕ちゃいますから」
三人とも違う。犯人がいない。やはり誰かが嘘をついているのか?
……いや、いた。
もう一人タクシーに乗っている人物を忘れていた。
運転手だ。
4人中3人が違うのだからもう確定している。
今までで一番の形相で僕と田村とマネージャーは一斉に運転手をにらみつけました。
その瞬間
運転手はタクシーの全ての窓を開けました。
ゴォォォォォォ
高速を走っていたため風が轟音と共に車内を吹きぬけていきます。
大胆すぎる証拠隠滅。何も無かった事にしたのです。
将棋で負けそうなやつが盤をひっくり返すかのような力業。
オープンカーのような風圧に僕達は髪を乱しながらこの文字通りの「開きなおり」に何も言えませんでした。
相方はこの時の事をまだ許していません。
そんな相方ですがコイツもひどいです。
僕と相方とタクシーで浅草花月に行きました。
お会計は3000円。
割り勘で行こうという事になりました。
しかし相方は僕に1000円だけ渡してタクシーを降りました。
割り勘なら1500円づつ、小学生でもわかる計算。
仕方なく僕は2000円を出しタクシーを降りて相方を追いました。
「おい、1500円やで」
すると相方は真顔でこう言いました。
「え?3人やねんから割り勘したら一人1000円やんか」
運転手まで割り勘メンバーに入れてる!
怖っ!

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