メール
近々単独をライブやるので最近は仕事が終われば駄菓子屋さんや空き地に寄る事もなく真っ直ぐ家に帰ってネタを書いています。
しかしいざネタを書こうと思ってもなかなかどうして筆は進まないもの、皆さんも受験勉強や宿題で経験したことがあるでしょう。
気づけば部屋中をクイックルでワイパーしまくっていたり何かしらの安い肉を煮込んではそのアクをとっていたりパソコンを開いては何かしらを競り落としたりしてしまっているものです。
今より若手の時代は毎週新ネタをしなければならなかったためなかなかつらい日々でした。(おかげさまで床はピカピカ、フィギュアも充実、煮込み料理が得意になったのもこの時期です)
ネタを考えることは孤独との戦い。逃げれば全て自分に帰ってくる。
僕らは毎週必死で舞台に立っていました。
しかしある時、本番前日だというのにどうしてもネタが思い浮かばなかった僕は禁じ手を使ってしまったのです。
その禁じ手とは
『田村に相談する』
です。
(相方に相談する事がなぜ禁じ手なのかと思われた方は「ネタ」の記事をご覧ください)
田村に相談する、これほどまでに僕は追い込まれていたのでした。
震える手で田村にメールを送ります。
「夏をテーマにした漫才つくりたいんやけどなんかアイデアない?」
禁断の扉のほこりを振り払うかのように息を深く吐きだし、僕はメール送信ボタンを押しました。
しかし
半日経っても返信はきません。
おかしい。
いくら相方でもメールを無視することは無いはず。
確認のため送信済みのメールを確認してみると
なんと宛先を間違えていました。
当時は番号だけのメールをやり取りしていたため間違いメールというのがたまにあった時代。
僕はどこの誰だかわからない人に漫才の相談をしてしまっていたのですから返信が来ないわけです。
あわてて田村に同じメールを送信し僕は再びネタをつくり始めました。
深夜
メールが来ました。
なんと間違いで送った方からの返信。
その内容は
「夏といえばやっぱり花火!線香花火、ネズミ花火、たくさんあるけど打ち上げ花火がいいんじゃない?バーンと打ち上げてちょうだいね!」
まさかのノリノリ
これは本当に原文そのままです。
僕は見ず知らずの方のアドバイスを活かし翌日花火ネタを披露しました。
ちなみに田村君からは「マイペースで!」という励ましのメールを頂きました。