馬鹿
君は福島君を覚えているだろうか。
自身を犠牲にして川に飛び込んだメガンテ福島のあの勇姿を。
(知らない、または忘れたという方はブログを遡って『川の思い出』を読んでください。興味が無いという方はゆっくり瞳を閉じて故郷の野山を思い出してください。各種お手続き変更のお問い合わせの方は1を、終わりましたら♯を押してください)
そう、福島君とは僕の小学生の頃の同級生。
愛すべき馬鹿です。
五年の時、福島君は教室にエロ本を持ち込んだ事がバレて先生にこっぴどく叱られました。
それに腹をたてた福島君は先生への反抗として『給食を食べない』という損しかない行動に出ました。
先生がいくら促しても食べません。
次の日も給食を食べようとしない福島君、先生も呆れ顔。
すると福島君が突然立ち上がり教卓に立ちました。
「何が起こるんだ」
クラス全員が緊張した面もちで注目すると福島君はポケットからリンゴをとりだし、皆を上目使いで見ながらそれをかじりだしました。
ださい。
彼の中ではかなり「キマった」瞬間だったようですがエロ本を持ってきてリンゴをかじってる哀れなアダムにクラスメートは給食を吹き出して爆笑しました。
彼がもたらした悲劇もあります。
ある夏、クラス全員で校舎屋上の掃除をすることになりました。
うだるような暑さの下、水をまき洗剤をかけデッキブラシでこするの繰り返し。
するとスポーツ万能の山本君が洗剤をデッキブラシでこすりまくり大量の泡をつくりだしました。
一人がやれば皆がやりだす。
小学生男子による「馬鹿な遊び」はどんなウィルスよりも蔓延するのが早いのです。
瞬時に「こすりまくれ!第一回屋上泡コンテスト」が開催され男子全員が屋上中を泡だらけにしてしまいました。
その光景を見た福島君が
「はは、ソープランドやな」
と一言。
またも男子は大爆笑。
何かよくわからんがとりあえずエロい所なんだという知識はあったため僕らはソープランドを連呼し笑ってました。
しかし優等生の岩井君だけはソープランドを知らなかったようで福島君に執拗にその意味を聞いています。
「夢の楽園や」
とだけ答える福島君。
そこに先生がやってきて泡まみれの屋上を見て大激怒。
「まじめにせえ!」と怒号を飛ばしながらホースで水をまき泡を流していく先生に岩井君が叫びました。
「僕らのソープランドに何するんですか!」
岩井君は体が浮くほどのビンタをくらいました。