調節

以前書いた『絡まれる』というお話のせいで「ネゴシックスて実はかっこいいんですね」という感想がたまに送られてきます。
一部で何やらネゴの評価が上がっているみたいなので今日はそれを調節するべくこんなお話を。

三年前のある夜、ケンコバさんから連絡がありました。
「みんなで家に集まってゲームして遊ばへん?」
なんとも無邪気なお誘い。
いつも男らしいコバさんですが男らしすぎるゆえに照れ屋の一面もあり、飲みの場に女性がいることはまずありません。
その日もどうしても男だけで集まってゲームしたかったのでしょう。
「了解です!ゲームしましょう!ちなみに女の子とか誘ったほうが良いですか?」
一応念のため後輩らしく聞きました。
すると
「いらん、今家にAV女優が10人来て困ってんねん」

出ましたコバヤシ節。
笑顔で電話をきり支度をしてコバさんの家に向かいました。
招かれるまま部屋に入るとすでに田村がいました(コバさんは僕らだけコンビで誘う)
3人で飲みながらゲーム開始。
男同士でするゲームは充分楽しく、女性がいない事にもリラックスしみんな夢中で騒ぎました。
しかしもう一人呼んだらさらに盛り上がるんじゃないかとコバさんが電話をかけたのはネゴシックス。
「皆でゲームしてるからネゴも暇なら家おいで」
テレビでは聞けない優しい口調です。
でも最後には「AV女優が10人来てるぞ、ほな待ってるで」とやはりコバヤシ節は欠かしません。
しかし
ネゴがなかなか来ないのです。
ネゴの家からコバさんの家までは歩いて5分の距離。
それが1時間経ってても来ない。
心配になり電話をしようとしたその時
インターホンが鳴りようやくネゴが来ました。
その姿を見て我々は驚愕しました。
顔には赤いフレームのだてメガネを装着し、上半身にも鮮やかな赤のシャツ(新品)それに黒のシックなショートパンツを合わせ、髪型はジェルでバッキバキに固め体からはうっすら香水のいい匂いが。
見たことの無いネゴの謎のキメ姿を我々は呆然と眺めていました。
「遅くなってすんません」と言いながら部屋をキョロキョロ見渡し何かを探しているネゴの姿を見てその謎の答えがわかりました。

なんと

AV女優が10人いると本気で信じていたのです。
だから時間をかけて精一杯のオシャレをしてやって来たのです。
それがコバヤシ節だと気づいたネゴの顔は深紅に染まりました。

でんごんばん CIDER inc.