春はまだか

今日もスターのお話を。
以前NHKのある特番に出させていただきました。
吉本からはペナルティさんと麒麟が出演。
その番組のMCは

ダウンタウンの浜田さん。

何度か仕事でご一緒させていただきましたがやはり緊張度が違います。
僕らは必死で番組に参加しました。
収録は無事終了、楽屋で一息ついているとスタッフさんから伝言が。
「浜田さんが打ち上げをしてくださるそうです、行かれますか?」

断る理由も権利もありません。

興奮のあまり「ウィ!」と返事してお店に向かいました。
着いたのは高級焼肉店。
メンバーは浜田さん、ペナルティさん、作家さん、麒麟だけ。
他の共演者やスタッフはいません。
浜田さんは僕ら若手芸人だけのために打ち上げを開いてくれたのでした。
普段絶対食べれない肉に一喜一憂する若手芸人、それを微笑んで見守る浜田さん。
お腹も満たされたところで浜田さんが言いました。
「よっしゃ、皆でカラオケ行こか」
また一同大盛り上がり。
移動中の車内で作家さんがボソッと言いました。
「浜ちゃんがカラオケに誘うのはよっぽど楽しい時や、お前ら良かったなあ」
泣きそうになりました。
そしてカラオケボックスに到着。
「お前ら好きなん歌い。俺はみんなの聴くわ」
突如若手芸人の中で張り詰める緊張。
浜田さんに聴かれるカラオケ、勿論普通に歌っていいわけがない。
何か「笑い」をトッピングしないと満足されないであろう、しかしそれが裏目に出ればマイクで眼球を突かれるであろう。
混沌とした空気の中で颯爽とマイクを握ったのはペナルティのお二人。
歌唱力の高い二人は狩人の『あずさ2号』をハモり完璧に歌い上げ浜田さんから喝采を得ました。
次は僕の番。
追い詰められた僕はあるタブーを犯すことにしました。
それは『浜田さんの曲を歌うこと』
普通なら失礼すぎる行為ですが何か起これと思い意を決して大好きな『春はまだか』という曲を入れました。
しかしその瞬間
浜田さんが不機嫌そうに部屋から出て行ってしまったのです。

終わった。

裏目に出た。

静まり返る室内。

歌い続けるも勿論盛り上がらない。
しかし曲が二番に差しかかったその時
どこかから歌声が。
なんと浜田さんがマイク片手に歌いながら部屋に入ってきたではありませんか!
優しすぎる本人登場にまた大盛り上がりした夜でした。

でんごんばん CIDER inc.