川島

昨日は野性爆弾の川島さんのお話でしたが
吉本には「川島」の名を掲げる男がもう一人います。
はんにゃ川島
この男もなかなかズレた感性の持ち主。
芸人の中でも少し特殊なタイプとして仲間から認知されています。
5年前のある日、はんにゃ川島に楽屋で話しかけられました。
「川島さんて五反田に住んでるらしいですね!僕も最近五反田に引っ越してきたんですよ!」
「へー、なんで五反田にしたん?」
「めっちゃ近いですからね」
「何が?」
「何でしょね」
開始早々会話が成立しなかった事から嫌な予感はしていました。
しかし悪気は無さそうな彼、気を取り直して僕は会話を続けます。
「じゃあ今晩にでも引っ越し祝いにお前ん家で飲もうや。みんなで集まって」
「ほんとですか!ありがとうございます!」
「ところで五反田のどの辺に住んでんの?」
「あー、引っ越したばかりなんで地理がわからないんですよね。だから後で携帯に送らせてもらいますわ」

そして夜、川島からメールが来ました。
「ここが僕のマンションです。お待ちしてます!」
データが添付されていたのでてっきり住所だと思って開いてみると
添付されていたのは
マンションの外観の写真でした。

わしゃ探偵か。

俺はこの写真だけを手がかりに五反田を練り歩き、お前の家を探しださなあかんのか。

「失礼いたしました!写真一枚じゃ無理ですよね!」

注意しても再び別角度からの外観が添付された的外れの謝罪メールが返信されるだけで僕は恐怖しか感じませんでした。
また別の日
五反田の美味しい店を川島に聞かれた僕
「あの大通りと大通りの交差点の駅側に美味い店あるよ。『魚』てかかれたちょうちんが目印やで」
「わかりました!『魚』ってかかれたちょうちんですね!覚えときます」

しかし後日川島は怒りながら僕の楽屋にやってきました。

「ちょっと!こないだ嘘ついたでしょ!」
本気で美味しい店を教えてあげた僕はとまどいました。
「え?嘘なんかついてへんよ。ちゃんと探した?」
「めっちゃ探しましたよ!でもどこを探しても『ちょうちん』なんて店はありませんでしたよ!」

怖っ。

ちょうちんが目印だと頭の中で復唱していた結果、店の名前を『ちょうちん』でインプットしてしまっているのです。
色々考えた結果僕は「ごめんね」と謝っておきました。

でんごんばん CIDER inc.