子供
僕は子供に好かれません。
声なのか、顔なのか、内面か。
とにかく子供に好かれません。
漫才中に赤ちゃんがよく泣きます。
「麒麟です」で会場にいる赤ちゃんが4人同時に泣き出した事もありました。
しかし相方の田村(しつこい油汚れ)はやたら子供に好かれます。
以前劇場で漫才をしているとこんなことがありました。
客席にいた4歳ぐらいの男の子が席を離れちょこちょこと前のほうにやって来たのです。
そして田村に何かを言いたそうにしてます。
思わず漫才を中断し「ボクどうしたの?」と聞いたら田村に「これあげゆ」といって何かを手渡しました。
どんぐりでした。
トトロです。田村の愛され方はもうトトロです。
「となりの田村」です。
どんぐりは4つあったので僕は「1つ~僕に~くださいな♪」と謎のメロディをつけて子供に言いました。
子供はもう背中を向けていました。
大阪の公園でロケをしていた時もそうです。
空き時間に公園のベンチで休憩していると小学生が田村のもとに8人集まってきました。
その中の一人が突然田村の肩を叩きました。田村も「こらーっ」と言って追いかけて行きます。
それはいつのまにやら鬼ごっこと発展しました。
楽しそうだったので僕もそこに加わり子供達と一緒に走り回りました。
しかし誰も僕にタッチしようとしません。
気を使って田村が僕にタッチしてくれました(これがもうだいぶ悲しい)。
そのまま僕が走って子供にタッチしたら「あ、すいません」と言われました。
その「あ、すいません」は街を歩いてて「宗教に興味ありませんか?」と話しかけられたのを断る時の「あ、すいません」にとても似ていました。
本当の鬼になってやろうかと思いました。
そんな僕を愛してくれる子供もいます。
僕の兄の子供達です。兄には5歳と3歳の男の子がいましてその子達だけは僕になついてくれます。
こないだも久々に実家に帰って一緒に遊びました。
会話の流れからこんな事を聞きました。
「今年の七夕には何をお願いしたの?」
上の子は答えました。
「泳げるようになりますように」
可愛らしいお願いに頬が緩みました。
続いて下の子にも何をお願いしたか聞きました。きっと「おもちゃもらえますように」や「お菓子いっぱい食べれますように」だろなと思っていた僕に下の子はこう答えました。
「虹が出ますように」
ヤダ。カッコいい。
僕にはまだまだ子供心がわからないようです。