幼少の頃の僕はそれはそれは可愛らしい顔をしてました。
おっきくて茶色い瞳、髪の毛もくるくるとカールがかかっていたのでよくハーフだと勘違いされたそうです。
そんな僕におばあちゃんがつけてくれたニックネームは
「ベリーグッドマンちゃん」
外国人のような見た目ということでおばあちゃんが知ってる限りの英語を駆使してこのニックネームです。
「ベリーグッドちゃん」でも良かった気はしますがおばあちゃんの中で「やはり男なのだからマンはつくだろう」という発想から「ベリーグッドマン」という結論に至ったのでしょう。
結果モーガンフリーマンやゲイリーオールドマンのような渋い名前となりました。
近所の主婦達からもアイドル的存在でインターホンを押すだけでみんなお菓子を持って出てきてくれて毎日がハロウィンでした。
しかし。
そんなアイドル時代も小学四年の時に幕を閉じます。
成長期になると様々な発育が起こり身長が伸びたりするのですが僕の場合体より印象的に伸びたのが
顔でした。
小さくて均整のとれた顔だったのですが成長期に目の下の部分、つまり鼻の両サイドのスペースが長友選手ばりのオーバーラップを見せまして一気に縦長の顔立ちとなりました。
日に日に失われるアイドル感。
めきめきと頭角を表してくる馬感。
それでもまだ可愛いらしい自分がいつか帰ってくるのではないかと信じていましたが中学生の頃にこの声になり見事終止符が打たれました。
しかしこの世界に入ってからは男前と言ってもらえたりするのです。隣に備長炭(田村)が並んでくれてる事も手伝って芸人の中ではマシな方だと。
先日もお世話になってるアメトーークに「ハンサム芸人」として出演させてもらいました。
ここで大事なのは「イケメン」ではなく「ハンサム」という事。
見た目よりも経験から滲み出る「味」が積み重なって男に憧れられる男こそハンサムだと思うのです。
そんなハンサム芸人の収録直前、セット裏で僕はパンサーの向井と会話していました。
女性に大人気の彼だからこそ僕はある疑問を投げかけました 。
「向井てハンサムというよりイケメンやんな?」
すると彼は
「そうなんですよ、だから収録めちゃくちゃ不安です」
と答えました。やはりその自覚はあったようです。
そして彼はこう続けました。
「川島さんもハンサムじゃないですよね」
「そやなあ」と僕も答え会話はここで終わりました。

いやそれは悪口やないか!

でんごんばん CIDER inc.