映画館
今日は僕が4歳の頃のおぼろげながらしっかりと刻み込まれた記憶を頼りに、生まれて初めて見た映画の話をさせてもらいます。
今から30年前のある日
僕が突然映画館に行きたいとだだをこね出したそうです。
テレビで流れていた『のび太の魔界大冒険』のCMで、最後にドラえもんが「映画館で待ってるね~」と言ってるのを真に受けて「今こうしてる間にもドラえもんを映画館で待たせてるのか!」と思いこんだ末にだだをこねたのをなんとなく覚えています。
残念ながら近くの映画館ではドラえもんは上映されていませんでした。
しかし僕はさらにだだをこねとりあえず映画館に連れて行ってもらえる事になりました。
僕にすれば「してやったり」の結果です。
なぜならドラえもんは「映画館で待ってる」と言ってたのだから自身の作品が上映されてようがされてまいが彼はとりあえず映画館にはいるんじゃないかと思っていたからです。
電車に乗り家族でお出かけ。
着いた映画館で上映するのは「ブッシュマン」という作品でした。
お父さんが選んだんだと思います。
僕はそのタイトルを聞いてさらにテンションが上がりました。
アンパンマンしかりスーパーマンしかり最後に『マン』のつくキャラは皆僕らの心をワクワクさせてくれる素敵なヒーローだからです。
ブッシュマンはアンパンマンの友達に違いない。
しかも映画館のどこかでドラえもんが僕の事を待っててくれているんだ。
僕は目キラキラさせながら生まれて初めての映画館へ。
ここで『ブッシュマン』の内容を知らない方に少し説明しましょう。
ブッシュマンとは南部アフリカのカラハリ砂漠に住む狩猟採集民族であり、映画では些細な事からその民族達に巻き起こった争いを描いています。
そうとは知らず4歳の僕は足をバタバタさせて今か今かと上映を待ちました。
その時、ビーー!と突然大きな音が鳴り響き、館内が真っ暗になり不安になる子供の川島。
眩しい光とともにスクリーンに映しだされたのはアンパンマンとは程遠い狩猟民族が一本のコーラの瓶を必死に奪い合うという子供には恐ろしい映像でした。
そこで急に泣きわめき高熱が出て気を失ってしまい、僕は気づけば家の布団で寝ていました。
以来それがトラウマになってしまい映画館に行けば熱が出る体になってしまいました。
しかし安室奈美恵さん主演の「ザッツカンニング」を見た時になぜかトラウマが払拭されました。